ロードバイクには自転車保険が必須な4つの理由

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ロードバイク乗車中の事故で加害者になれば、数千万の賠償金が科せられることがある。自転車保険は車の自賠責保険のような強制保険ではないが、万が一に備え入っておくといいだろう。保険の種類は多いのでよく比較検討しよう。
乗るなら必須!自転車保険

ロードバイクに乗るなら保険への加入は必須か

自転車には強制保険がない

自転車には強制保険がない

ロードバイクに乗る人が増えている一方で、自転車に関する事故が急増している。もちろん、ロードバイクでの事故が突出して増えているのではなく、自転車全体の事故が増えているのだ。

普通の自転車と異なりロードバイクはスピードが出やすい乗り物なので、ロードバイクに乗る人はおそらく人一倍気を付けて乗車しているだろうし、万が一のためにヘルメットやグローブを着用はもちろん、夜間の無灯火運転やスマートフォンを操作しながらの運転などの危険行為も行っていない人が大半だと思う。

しかしながら、安全に注力し危険運転を行わなかったとしても、事故にあったり、事故を起こしたりしてしまう可能性は誰にもある

そして、一番知っておきたいこととしては、自転車は自動車と違い強制保険がないこと。また、自動車保険のような任意保険に加入するのがそこまで周知されていないため、自転車での事故に対して対応可能かどうかは自分自身が加入している保険次第。

また、スピードが出ている状態での事故によって、仕事や日々の生活に支障をきたすほどの大怪我をしてしまうことも考えられる。また、自営業の人は入院して働くことが不可能となれば、ある意味致命傷ともいえる。

いくら気をつけていても事故を防ぐことはできない

いくら気をつけていても事故を防ぐことはできない

自転車乗車中に転倒や衝突することで、自分自身が怪我や障害をおったり、最悪の場合は死亡したりすることもある。普通の自転車と比べ高速で移動できるロードバイクの場合、ちょっとした気の緩みから大転倒する可能性も少なくない。また、どんなに気を付けていても相手が物陰から突然飛び出してくれば、避けようがなく事故にあってしまうこともある。

このように、ロードバイクに乗っている以上いつ何時事故にあうかわからないということを肝に銘じておく必要がある

加害者になる可能性がゼロではない

事故の相手が車の場合はほとんどが被害者となるため、保険の心配は自分自身のことだけ補償できればそれで大丈夫だが、最も大変なのがロードバイク乗車中に歩行者に怪我をさせて加害者になった場合

相手の怪我の状態にもよるが、通院費などの補償を行う必要があり、決して安い金額では済まない。特に近年では自転車事故の賠償額が非常に高額になる場合もあり、自転車で追突することによって相手を死亡させたり、重度な後遺症を負わせたりすれば、裁判の結果数千万円が請求された事例もある。

たとえ自転車であっても、自動車と同様に相手を傷つける可能性のあるものに乗っているという意識は常に持っておく必要がある。

過去の高額賠償額履歴

賠償額
平成20年 9,266万円
平成15年 6,799万円
平成19年 5,438万円
平成17年 5,000万円
平成26年 4,043万円
平成19年 3,970万円

自分の事なら生命保険でカバーできるが相手への賠償は補償されない

自転車の事故での補償は自分自身のことなら加入している生命保険や傷害保険で対応することも可能だが、相手への賠償に関しては生命保険や傷害保険では適用されない

そのため、ロードバイクに乗るのであれば相手への賠償が可能な保険と、自分への補償である傷害保険が必要。ちなみに両方が備わっている「自転車総合保険」はそう多くない。

自分の怪我 相手に怪我をさせた
必要な補償 入院保障・通院補償 個人賠償補償
自転車保険
傷害保険
(生命保険・医療保険など)
×
個人賠償責任保険
(自動車保険・傷害保険・火災保険などの特約として)
×

どんな自転車保険を選べばいいか

1.誰に対して補償が可能かを明確にしておく

自分の事故に対応できるか

自分自身の事故については損害保険が必要。交通事故で自らが怪我をして治療や入院が必要になった場合の費用がカバーされ、こちらも自転車乗車時以外の怪我でも補償される

もちろん、生命保険や医療保険に入っていればカバーできることが多く、自動車保険に加入していればカバーできる場合もあるので、必ずしも傷害保険に入らなくても大丈夫。

通勤や通学に車が多い道路を利用する人は、万が一の場合大きな事故になりやすく、結果として高額な医療費が発生する可能性も高くなるため、現在自分の入っている保険が対応できるかどうか確認しておくことが必要だ。

相手の怪我に対応できるか

相手の身体や物品の損害賠償義務に対応するには、加入中の保険に個人賠償責任補償があることが必要。

後ほど説明するが、相手への補償については自転車保険だけでなく、自動車保険、火災保険、傷害保険、クレジットカードなどの特約として最初からついているか、別途数百円程度の契約を申し込めばつけることができる。

自動車保険や火災保険などの保険に加入している場合は、個人賠償責任補償に加入しているかどうかを確認しておきたい

これらの保険は自転車乗車中の補償を行うことが主ではなく、日常生活の中でのトラブル時に他者に対する賠償責任を補償するもの。ロードバイク乗車時以外でも、他者に怪我をさせたり物を壊したりした場合に使用できるものだ。

2.相手への補償額が5000万円以上、または1億円以上のもの

各種保険には補償額に限度額が設定されている。3000万円までというものであれば、3000万円までは補償してくれる。

しかしながら、万が一相手への賠償金が保険の補償額を越えてしまった場合、越えた分は個人で負担する必要がある。過去に高額な賠償事例があるため、補償額は最低でも5000万円のものを選ぶこと

高額な賠償事例が増えてきている現状を反映させるよう、補償額の高いプランも増えているのでこの辺りは問題ないかと思うが、保険料が安すぎるものは補償額が1000万円程度しかない場合があるので、その場合は別の保険でもカバーできるよう検討することが必要。

保険会社 商品名 賠償責任補償 示談代行 入院保険金(1日) 保険料(年間)
DeNAトラベル DeNA自転車保険 基本コース 1億円 あり 1000円 3600円
au損保 自転車保険 ブロンズコース 1億円 あり 4000円 4150円
三井住友海上 ネットde保険@さいくる Cコース 3億円 あり 4,000円 3,990円
セブンイレブン 自転車保険お一人様プラン 3億円 あり 4,000円 3,990円
東京海上日動 自転車保険Bプラン 1億円 3000円 3,650円

3.補償の適応範囲

補償は範囲がどこまでなのかも重要な要因。具体的に言えば、契約者のみか、家族まで補償されるかということ。これはすべての保険が同じではなく保険によって適応範囲が違い、本人・配偶者・親族あれば補償範囲に含まれる場合や、補償範囲を契約者本人に限定しているものもある。

家庭を持つ人は家族の分の補償もできるものを選んでおけば、その家族は別途保険に加入する必要はない

家族構成 補償範囲 
一人暮らし 本人のみ 
夫婦 本人・配偶者 
家族 本人・配偶者・親族 

4.示談交渉サービスがある

事故が起きたとぎ、被害着への賠償額は加害者・被害者双方の責任割合で決められる。このとき、当事者同士の話し合いになると決着のつかない場合も多いだけでなく、心身ともに疲弊してしまいがちなので、交渉は示談交渉の専門家に依頼するのがベター

保険によっては示談交渉サービスが最初からついている場合や、別途追加申し込みが必要なこのサービス。少額の追加で自分の代わりに示談交渉してくれるので、万が一のことを考えるのであれば選んでおくといい。

自転車保険といっても種類はさまざま

自転車保険といっても種類はさまざま

上記で自転車保険の選び方を紹介したが、「自転車保険」と名付けられていないだけで、自転車乗車中の補償に対応できる保険は多種存在する。「補償額が高く、範囲も広く、それでいて安い」というオールマイティの保険は存在せず、どの保険もメリットとデメリットが存在する。各社の保険を比較検討し、自らにとって適切な保険を選択することが必要。

自転車保険と名付けられていないが補償が可能な保険の一例

自転車以外の保険に入っていれば、特約で自転車での事故が補償される場合がある。火災保険や損害保険、自動車保険の特約などで約款を注意深く読んでおこう。

種別 販売元 商品名 賠償補償額 保険料(年間)
クレジットカード JCB JCB トッピング保険 日常賠償プラン 1億円 1,560円
クレジットカード 三井住友カード ポケット保険 1億円 1,680円
自動車保険 チューリッヒ 自動車保険 個人賠償責任補償特約 1億円 2,430円
自動車保険 ソニー損保 おりても特約 5000万 --
火災保険 セゾン自動車火災保険 じぶんでえらべる火災保険 個人賠償責任補償特約 1億円 --
火災保険 東京海上日動 トータルアシスト住まいの保険 個人賠償責任補償特約 1億円

自転車保険

繰り返しになるが、「自転車」保険はそう多く存在しない。ここでは代表的な2つの自転車保険を紹介する。たくさんの保険を見比べて、自分に合った自転車保険を探してみよう

株式会社DeNAトラベル 自転車の責任保険

株式会社DeNAトラベル

株式会社DeNAトラベル:http://bicycle.sougouhoken.jp/

DeNAが販売する交通事故傷害保険に個人賠償責任補償を組み合わせた自転車向け保険。賠償額は1億円までで、補償範囲は家族まで可能なので、賠償額と補償範囲が広く、この保険でほとんどの補償に対応可能。保険料を抑えた基本コースもある。

もちろん、自転車以外の交通事故によるケガまでカバーしてくれる。難点としては他の保険より保険料が高めなこと。

au損保 Bycleブロンズコース

au損保

au損保:http://www.au-sonpo.co.jp/pc/bycle/

au損保が扱う自転車保険は、交通事故傷害保険と個人賠償責任補償の両方が補償できるもの。他の特徴としては自転車のロードサービス付きなので、ロングライドに挑戦する人にもうれしい補償になっている。

自転車にかかわる事故によるケガは保険金が各2倍。補償対象範囲が3タイプから選べる。さらに示談交渉付きなので事故後のフォロー体制も備わっている。

自転車保険以外でも様々な保険でまかなえる

自転車保険以外にも様々な保険が存在している。例えば自動車保険には特約として相手への怪我を補償してくれるものがあったり、火災保険にも同様のものがついたりしている場合も

自転車保険にゼロから加入するのではなく、現在加入している保険に賠償責任補償に特化した特約を追加するという方法もある。

自動車保険に入っているなら特約を使うと割安

自動車保険に入っているなら特約を使うと割安

自動車には任意保険というものがあり、自動車運転中の事故に対して補償する役割を担っている。自転車乗車中の保険は、その特約の中にある「日常生活賠償責任特約」や「人身傷害補償特約」といったものを追加すればいい。

毎年の掛け金は補償金額に応じて上がるが、普通の自転車保険に比べて比較的安価な料金で自転車乗車時の保険として使用できるので心強い。金額としては現時点加入している自動車保険の掛け金に年間1,000円~2,000円程追加する程度。

火災保険や生涯積立保険などにも特約がある場合も

火災保険や生涯積立保険などにも特約がある場合も

火災保険や傷害積立保険などにも自転車での事故での補償が可能な特約や補償が存在する。現在加入している保険についてよく調べて、必要に応じて保険会社に相談するといい。なお、火災保険は賃貸で家を借りている場合に加入していることがほとんど。賃貸契約時の書類と一緒に保管していることが多い。

サイクリング協会の保険

日本サイクリング協会

日本サイクリング協会:https://www.j-cycling.org/

各都道府県に日本サイクリング協会があるが、これに入会することで、付随してくる自転車保険もある。ただし、補償の内容は他の自転車保険に比べてやや低いので、他の保険を補完する役目として使用するとよい

保険の他にも日本サイクリング協会に入会するメリットとしては、日本サイクリング協会が主催するイベントの参加料の割引、季刊誌の送付、日本サイクルスポーツセンターと関西サイクルスポーツセンターの入場料優待などさまざまな会員特典がある。

点検整備につく保険

自転車安全整備士のいる店舗で点検整備を受けて安全の確認ができたときに、その証明となるTSマークを車体に貼ってもらえるが、障害および賠償責任保険が付加されている。補償額は通常の自転車保険に比べて高くないが、掛け金は他の保険と比べると安価で、なによりも整備してもらうことができるので、事故を未然に防げるので自転車店に立ち寄る機会があれば検討しよう

ちなみに、永続的なものではなく、点検日から1年以内が保険の補償期間なので、その期間を過ぎ、更新を行いたい場合は新たに点検・整備する必要がある。

なお、普通のTSマークとは別に、保険料、補償額がさらに低い青色マークが存在する。保険料は整備代も兼ねているので店によって異なるので確認してみよう。

TSマーク(青色) TSマーク(赤色)
保険料 1,000~2,000円 1,500~2,500円
賠償責任補償限度額 1000万 5000万
入院15日以上の傷害 1万円 10万円
死亡・重度後遺障害 30万円 100万円
被害者見舞金 なし 10万円

その他の保険

自動車保険や火災保険の特約以外にも、他の保険に入っていれば自転車事故が補償可能な場合がある。生命保険では医療特約といった、日常生活における怪我で治療や入院をしなければならない場合、その費用を補償するものがある。ただし生命保険では、相手や物に対する補償はされない。

他にも、クレジットカードに付帯している保険もあるので、契約中のクレジットカード会社に確認するのも手だ。

注意すること

自転車総合保険に加入しても、保険で補償されないことがある。MTBやロードのレースに参加中の事故や、他人の自転車に乗車中の事故などは対象外の場合が多い。自分の自転車でも、押して歩いているときには歩行者扱いとなり適用されないこともある。

盗難の場合は購入後の経過年数による残価しか支払われないが、よいパーツに変更したり改造したりしていれば、コストが認められることがある。領収書は保管しておこう。

保険でカバーされないケース

自転車総合保険に加入しても、保険でカバーされないこともある。

レース中 ロードバイクのレースに参加中の事故や、他人の自転車に乗車中の事故は補償されない場合が多い。
自転車を押して歩いている時 他にも自分の自転車でも押して歩いているときには、歩行者扱いとなって保険適用外となることもあるので注意したい。いずれも保険会社によって内容が異なるので契約中の自転車保険会社に確認しよう。
海外での自転車事故の場合 海外で自転車ツーリング中の事故の場合は、日本の医療補償制度は使えず保険証があっても海外では使えない。したがって、必ず海外旅行保険に入っておきたい。なおクレジットカードには、海外旅行保険がついている場合があるので確認しておこう。

まとめ

ロードバイクの乗り方や楽しみ方は通勤やレース、週末のサイクリングなど、人それぞれ。しかし、事故の可能性や危険性があることを肝に銘じておこう。もちろん、ロードバイクに乗るのであればかなり注意して走っている人も多いと思うが、突然の「もらい事故」に遭遇することもあり得る。

常に事故への意識を持ちながら走り、無灯火運転やスマートフォンを操作しながらの運転などの危険運転を行わず、交通ルールを守って安全に走行することは、ロードバイク乗りにとって当然のことである。そして、万が一の場合を考えて、ヘルメットやグローブの着用とともに、自転車保険には必ず加入しておこう

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