初めてのロングライドを成功させるためのノウハウ集

Collection of know-how for successful first long ride

ロードバイクの魅力の一つであるロングライド。そのロングライドを成功させるためには様々なポイントが存在する。例えばロングライドの持ち物は重要なポイントだし、水分や食料の補給も大切、万が一の場合は応急処置方法も知っておくことが大切。ここではロングライドを快適に楽しく行うためのポイントを紹介する。
道路交通法違反を知るとともに、ロードバイクで走るときのルールを学び安全に走ろう

ロングライドの際の装備

最も大切なのが前準備。この準備をおろそかにするとロングライドが辛いだけでなく、完走できなくなることも。パンクなどのトラブルに対する備えや快適性を重視した機材選択など、無事に完走するために出発前にきちんと準備しよう。

一番大事なのはパンク対策

100kmを超えるならスペアのチューブを最低1本は持っていこう

ロングライド中のトラブルで、最も起こりやすいトラブルはパンク。走る距離が100km以上の場合は、チューブ交換キットとパンク修理キットをセットで携行すること。スペアチューブは最低でも1本入れておくだけでなく、2回以上パンクしたときのためにチューブパッチもあると安心。

なお、チューブにも様々な種類があるが、ブチルチューブは軽さと耐久性が高く、ラテックスチューブは乗り味の良さが特徴。いずれもロングライドに適しているので好みの問題だが、汎用性の高さと軽量性で考えるとパナレーサーのR'airをおすすめしたい。

もちろん、わざわざロングライドのためにチューブ交換まではしなくてもいいが、ロングライド中のチューブ交換用にはこれらのチューブを携帯しておこう。

チューブ交換をしたことがない人は事前に練習しておくこと

ロードバイクを購入してから、もし一度もチューブ交換をしたことがないのであれば、ロングライドに出る前に自宅でチューブ交換だけでも練習しておくこと。パンクしてから「いざ交換」となっても、それまでパンク修理をやったことのない場合は、やり方がわからず苦労してしまうだけでなく、必要以上に時間がかかってしまう。なお、チューブ交換については「パンクの修理方法」で詳しく説明しているので参照のこと。

空気入れはCO2ボンベが便利

TNI CO2 ボンベセット 参考価格:1,620円

空気入れはパンク時や空気圧が低い場合に使用する。家では普通の空気入れを使用していても、ロングライド時には携行できる大きさのものを選ぶことになる。ただ、携行用の小さい空気入れはロードバイクのタイヤに必要な空気圧を充填するのは非常に大変だし時間がかかってしまう。

チューブ交換の手間を少なく、時間を短縮するためにも、ロングライドにはCO2カートリッジ式の携帯空気入れをおすすめしたい。普通の空気入れと異なりカートリッジ式の空気入れはボンベは使い捨て形式で、カートリッジだけでも1本500円ほどするが、そう頻繁に使うものでもないし、空気を入れるのに大変な思いをすることもないので、ぜひCO2ボンベをおすすめしたい

ロングライドでは足回りが大きな差を生む

パンクをしないためのタイヤ選び

乗り味やハンドリングに大きな影響を与えているのがタイヤ。タイヤの良し悪しで走り心地は大きく変わる。タイヤにも様々な種類があり、レース用やロングライド用などあるが、ロングライドに適しているのは耐パンク性が高いタイヤ。

おすすめはパナレーサーのRACE D EVO3。このタイヤは耐パンク性が高くてロングライドに向いている。もちろん、自転車通勤など日々街中を走行するのに使っても何の問題もない。

パナレーサー RACE D EVO3 参考価格:6,667円

ホイールを変えれば走りが圧倒的に変わる(ただし費用もそれなり)

タイヤよりも効果が高いのがホイール。ただし、価格もそれなりに高いのがデメリット。初めてのホイール交換なら10万円ぐらいのホイールセットあたりを試してみよう。特に20万以下のロードバイクに最初から付いているホイールよりも確実に走りが軽快になる。

おすすめはSHIMANO DURA-ACE ホイール WH-R9100。定価は約15万円。アマゾンなどでは10万円ぐらいで手に入る。一度良いホイールを履いてしまうと、普通のホイールでは満足行かなくなるだろう。

なお、パンク修理の難易度は大きく上がるが、チューブレス兼用やチューブラー専用ホイールで、クリンチャータイヤとは異なる乗り味を体験してもいい。

ライトはトンネル走行や日暮れ後の走行もあるので必須

夜間以外にもライトを付けて安全性を高める

ロードバイクは車と異なりそこまで大きくないので、どうしても車側の運転手から見落とされがちになる。トンネルを通過する場合や暗い場所での走行は日中であっても、周りが暗いので余計に目立たない。

そのような場所を走行する場合は、ロングライド中は明るい昼間の時間でもテールライトを点灯させて、こちらの存在をアピールして安全性を高めたい。

夜間にサイクリングロードを走るのであれば前を照らすライトの照度は400ルーメン以上欲しい。キャットアイ VOLT800なら800ルーメンの照度があるので、これぐらいのものを検討すること。ライトについては「ライトの選び方とおすすめのライト6選」にて紹介しているので参考に。

注意したい点としては、気温が低くなるとバッテリーの持ちが急に悪くなる。夜間ライトが切れて途中で真っ暗にならないように、予備の電池やモバイルバッテリーなどを携行するのも忘れないようにしたい。

雨対策は必須

ロングライドには防水透湿素材のレインウエアが必携

長い距離を走ると天気の変化が起こりやすく、出発地点は晴れていても途中で雨になることも十分考えられる。さらに、峠など高地を走行する場合は天気の移り変わりが大きい。

雨が降ってきた場合、雨宿りしてしばらく待つことが最適だが、雨宿りできない場所だったり、雨が非常に強い場合はリタイアせざるをえない。

そうならないように、長い時間雨が降っても快適に走行できるように、防水透湿素材を使った高機能なレインウエアを持っていくこと。防水透湿素材を使ったレインウエアは、水分を通さずにウエア内の蒸れを外に排出することができるので、普通のレインウエアとは段違いに快適。

価格は高いがゴアテックス製の素材を使っているレインウエアがおすすめ。詳しくは「ロードバイクには高機能レインウエアがおすすめ」を参考に。

仮にレインジャケットの持ち合わせがない場合でも、コンビニエンスストアや100円ショップで売っているレインウエアぐらいは最低限用意しておくこと。長距離の走行はできないが、一時しのぎぐらいにはなる。

手と頭の雨対策も必要

雨対策は体だけでなく、手足と頭の対策も必要。頭に関しては、ヘルメットにビニール製のラップをかぶせるだけでも高い効果を発揮する。

困るのは手袋。グローブは耐水性のないものがほとんどだが、濡れても滑り止め効果や転倒時に手のひらを護る効果があるので、雨でもグローブはつけておくこと。

冬のグローブの場合も多少は耐水性があるが、長時間経つと水がしみてくるので過信は禁物。

どうにもならないのは強風と雷

ロードバイクでどうしても対応できないのが強風と雷。強風は走りにくいだけでなく、強い突風によって吹き飛ばされてしまう危険性もある。車道で強風にあおられて走行中の車や人に接触してしまう事故も考えられるので、風が強い場合は十分注意して走行すること。強風で危ないと思ったら、風が収まるまで走行せずに待つぐらいのほうがいい。

雷も大敵で、もし直撃したら雷を避けることができない河川敷や海岸沿いなどは雷の危険性が非常に高い。落雷の危険性が少しでもあるのであれば、通り過ぎるまで安全な場所で待機すること。

ロングライドに適したバッグは

通常の走行と同じく、荷物はできるだけ持ちたくない。荷物の重さが体への負担となるだけでなく、暑い季節にリュックを背負うと背中とリュックの間が蒸れてしまい、非常に不快。できるだけ荷物を少なくするのは当然だが、自分に適したバッグを選ぶことも大切。

もっとも一般的なのがリュックタイプ。ロードバイクの乗車姿勢に適した構造のドイター レースXは、荷物の重さを体全体に分散させ体への負担を減らしているだけでなく、背中面の通気性を高めているので背中が蒸れにくいのが特徴。自転車通勤などでも使いやすいタイプのリュックなので一つ持っておくと便利。ドイターのレースXについては「初心者がロードバイクで使うリュックを選ぶならドイターのレースXがおすすめ」を参考に。

おすすめはシートバッグタイプ。サドルバッグの容量を大きくしたバッグの一種であり、ロードバイク本体に装着するため、体への負担が軽いが特徴。容量も様々で6リットルから12リットルの間のものが多く、宿泊を伴うロングライドにも十分な容量。

トピークのバックローダーは容量は10リットルで、荷物の大きさに合わせてバッグの体積を小さくすることもできるので便利。「多くの荷物を運ぶことができるシートバッグは旅行やロングライドに便利」でシートバッグについて紹介しているので、参考に。

種類 バッグの一例 容量
メッセンジャーバッグ グレゴリー メトロメッセンジャー 10リットル
リュック ドイター レースX 12リットル
シートバッグ トピーク バックローダー  10リットル

補給は非常に大切

水分や補給はこまめに少しずつ行う

ロングライドの基本は景色を眺めつつ楽に完走できるようなペースで走ることだが、季節によっては出た汗がすぐに乾いてしまい、汗をかいているという自覚がなくなる。こうなってしまうと水分補給が遅れがちになる。特に寒くなると汗をかいていても自覚できない傾向が強くなり、気づいたら長い間何も飲んでいなかったという事態に陥りやすい

暑い時期だけでなく、寒い時期でも実際には大量に発汗しているので、水分補給はこまめに少しずつ行うこと。

暑い時期は水とスポーツドリンクを入れたボトル2本を準備

暑い時期のロングライドは、ボトルを2本持っていくといい。1本は水分補給用として。そしてもう1本は体を冷やすため。

水分補給用のボトルにはスポーツドリンクなどを入れておく。真水だけを飲み続けると血液のナトリウム濃度が下がってしまうので、塩分と糖分を含んだスポーツドリンクを積極的に飲むこと。暑い時期のロングライドでは、冷たい水分のほうが飲みやすいので、水分補給用のボトルは保冷式のものがいい。

体を冷やすためのボトルには真水を入れておき、暑くなってきたらヘルメットや首筋にかけて暑さを和らげる役目として使う。

男性に多いハンガーノック

ロードバイク走行中にお腹が減りすぎてしまい、血圧が下がって運動が困難になる状態をハンガーノックという。何時間も食料を入手できないような山奥を走るときは、補給食をある程度の量持っていくべきである。ちなみに、女性の場合は皮下脂肪が厚いので、男性に比べてハンガーノックになりにくい。

補給食も複数種準備しておこう

補給食にはゼリー飲料タイプや固形タイプなど様々な補給食がある。

ゼリー飲料は、疲れていても飲みやすく、走行中でも摂取しやすい。さらにコンビニなど様々な場所で入手できるのでロングライドの補給職としては最適。一方、ゼリー状のものなので咀嚼しないので食べたという実感が薄く、カロリーは摂れるが満足感が薄いのが弱点。複数補給食を用意するのであれば、補給食はゼリー飲料タイプだけでなく、固形タイプのものも準備しておくといい。

輪行でロングライドできる範囲が大きく広がる

電車や自動車を使って輪行すれば、ロングライドできる範囲は大きく広がる。東京に住んでいても自分の愛車でしまなみ海道にチャレンジしたり、利尻島一周にだってチャレンジしたりできる。

電車を使った輪行

多くの鉄道で輪行が可能。時刻表どおりに到着できたり、スタートとゴールが異なる場所でもよかったりなど、自転車との親和性が高い。ただし、朝のラッシュ時や混雑する時間帯での輪行は避けたい。輪行袋には様々なタイプのものがあるが、ロングライドにはボトルホルダーに入れることのできるぐらいの大きさのものがベスト。詳細については「おすすめの輪行袋と、その他必要なアイテム」を参考に。

車を使った輪行

車を使っての輪行という方法もある。ライトバンタイプの車でなくても前後輪を外せばほとんど車に積むことができる。

フレーム同士が接触して傷ついたり破損したりしないように、丁寧に収納するのはもちろんのこと、動かないようにきちんと固定し、接触しそうな場所には緩衝材をはさんだり毛布などでくるんだりして保護することが大切。

輪行の際のポイント

盗難防止に鍵は必ず持っていこう

ロングライド先で盗難にあうなんて不幸は絶対に避けたい。ロングライドは常にロードバイクに乗っているのではなく、トイレに行ったり、食事をしたりとロードバイクの傍を離れる機会も多い。ロングライドには必ずワイヤー錠を持っていくこと。可能であれば目の届く範囲で食事すると安全。

盗難防止力を高めるのであれば頑丈な鍵を持っていくのも一つだが、ロングライド時に邪魔になりやすく、基本はロードバイクに乗っているので、最低限の盗難防止ができるレベルのもので十分。

ビンディングペダルを使っているならクリートカバーも持参する

長い時間観光する場合は歩行に適したSPDシューズがいいが、そうでないビンディングシューズを使っている人は、クリートが減らないよう専用のカバーを装着すること。特に休憩や観光などで長い距離を歩きそうならば必ず持っておきたい。

ロードバイクが壊れた場合は応急処置で対応する

多くのトラブルはその場で解決できる

ロングライド中にトラブルが起きずに完走できれば幸いなことだが、思ってもいないタイミングでトラブルは起きてしまう。ただ、ある程度のトラブルについては対処方法を知っておけばどうにかなる。事前に知識を頭に入れ、できるものは前準備しておけばいい。

トラブルには、人間の肉体的なトラブルとロードバイクの機器的なトラブルがあるが、頻度はロードバイクのトラブルのほうが多い。そしてそのトラブル内容としては、パンクとブレーキや変速機の不具合がほとんど。これらはトラブルというよりも、事前に綿密なメンテナンスを行うことで回避できることがほとんど。

特にパンク時の対応だけは事前に家で予行練習を行っておくこと。また、ロングライドの前には必ずブレーキの点検や注油など、ロードバイク全体のメンテナンスを行っておきたい。

最低限事前に行っておくべきメンテナンス

  • タイヤチェック・空気入れ
  • 注油
  • ブレーキシューの点検・減っていれば交換
  • 各種ネジの増し締め

その他のロングライドに起こりそうなトラブルについては以下で紹介している内容を参考に、対処法を身につけておきたい。

ハンドルなどが曲がった場合

転倒してしまうとその衝撃でハンドルやクランク、ペダルなどが曲がってしまうこともある。パーツによっては曲がった状態でも走行することはできるが、できるだけその場で直しておいたほうが走りやすい。

曲がった個所がある場合は、まずは力いっぱい押すなり引っ張るなりして元に戻せるように挑戦すること。それでも動かない場合は、体重を利用して足で踏んでみる。ポイントとしては一気に行うとロードバイクが破損してしまう原因ともなるので、少しずつ様子を見ながら体重をかけること。

またパーツが緩んでしまっていることもあるので、携帯用工具もあれば便利。

リムが大きく曲がったら

転倒や衝突などの衝撃でリムが大きく曲がることもある。リムが曲がってしまった場合は一度車輪を外してから、体重を掛けながらじわじわと曲がりを矯正すること。

硬くてリムの曲がりが戻らない場合は、足で踏んで曲がりを直す。一気に力を入れると逆側に曲がってしまうため、踏み込むたびにゆがみを確認しながら少しずつ行う。

きちんと曲がりが戻ればいいが、完全に戻らなくても走行は可能。ブレーキを開いてリムが当たらない程度に直せれば一時的には大丈夫。その場合、ブレーキは開いたままにして走行する。もちろんブレーキは開いた状態なので、スピードを出すと簡単には停止できないのでスピードを抑えて走ることが必要。

帰宅後は自転車店にもっていって修理できるか相談してみること。リムが大きく曲がったまま乗り続けるのは危険。

スポークが折れたら

スポークは段差などの障害物、木の枝などの巻き込みによって、比較的折れやすい。スポークが折れた部分は荷重バランスが崩れ大きくリムが振れるので、ニップル回しを使って両隣のスポークを緩めて振れを抑えること。

スポークが折れている場合は外すこと。折れたままにしておくとホイール内部で絡まってしまい、他のスポークまで折ってしまうこともある。

1本でも折れると負担が増えて他のスポーク折れやすくなるので、帰宅後は早急に対処したい。

まとめ

ロングライドは事前の準備さえしっかりしておけば問題なく走れることがほとんど。そして、いざとなったら長時間の休憩をとったり、ロングライドを中止したりと撤退する選択肢も常に持っておくこと。

また、ロングライドに適した走り方も習得しておけば更に良いので、「ロングライドに適した走り方を習得しよう」も参考にしたい。

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