ケイデンスを意識して効率的に走る

Run efficiently with cadence in mind

ロードバイクで走る際、ケイデンスを意識してペダルを踏むことで、効率的に走ることができる。ここでは、ケイデンスについて紹介する。
ケイデンスを意識して効率的に走る

そもそもケイデンスとは何か?

ケイデンスとは1分間のクランク回転数

ケイデンスとは1分間あたりのクランク回転数を指す。基本的に回転数が上がればスピードは上昇する。その脚の動きを数値化したものがケイデンスであり、単位はrpmで、レボリューションズまたはローテーションズ・パー・ミニッツの略である。

一般的にはサイクルコンピューターを用いて測定する。この場合、ケイデンスが測定できることを確認したうえで購入すること。

速く回せばスピードも上がる

ロードバイクを速く走らせるには、より重いギアを、より高いケイデンスで回せばいいのだが、走行している道路の勾配や、風向きだけでなく、その人の身体能力や疲労具合などによって回すことのできるギアの重さや回転数が大きく増減する。

一般的には、ケイデンス一定に保つペダリングがエネルギー効率のうえで良いとされ、ケイデンスという言葉を知らない人でも、自然と回しやすいギアを選びながら走っている。

変速システムはそれぞれの場面に応じて回しやすいギアに調整するために存在する。ギアの枚数が多いと、走行場面に応じたギアに微調整できるため、高位コンポーネントになればなるほど枚数が多く、楽に走ることができる。

速度は同じでもギアを変えるだけでケイデンスは大きく変わる

ペダルを踏む力とケイデンス。そのどちらを上げてもパワーは向上する。同じ速度を出したい場合でも、高いケイデンスでも低いケイデンスでもどちらでも出すことができる。それぞれ、軽いギアなら高いケイデンスで回さなければならないのに対し、重いギアなら低いケイデンスで済む。

  重いギア 軽いギア
高いケイデンス 高速 通常速
低いケイデンス 通常速 低速

標準的なケイデンスにこだわらない

ケイデンス90回転が標準なのは上級者やプロの領域

ケイデンス90回転が標準なのは上級者やプロの領域

ケイデンスを一定に保つペダリングがエネルギー効率のうえで良いとされてはいるが、実際には大きな幅の中で推移しており、その平均値は目的や状況により変化する。

よくケイデンスの目安として90回転を維持することが推奨されているが、これはあくまで上級者やプロ向けのもので、身体能力とスキルが高水準の人がロードレースで走る際でのケイデンス。(レース中アタックの場合は更にケイデンスは増す)

身体能力もスキルもプロ選手に及ばない一般の人が、単独走行で平地巡航する際は、ケイデンスを90回転としても長く続かない場合が多い

まずは無理のない範囲の回転数でしっかりと回すことができるようになる

効率的なケイデンスは、身体能力とペダリングスキルのレベルによって異なる。ロードバイク初心者の場合、無理のない範囲で、速すぎない回転数に留めて正しく踏むことが大切

たとえ90回転を持続できたとしても、ペダリング速度が一定でない場合は、回転ムラが生じ、ロードバイクを進ませる力に変換されず、スカスカと空転するような、無駄の多いペダリングになりがち。

このペダリングだと、ひと踏みひと踏みの動作が雑になり、ペダルを踏む力が前に進む力に変換されにくい。ケイデンスを落としてしっかりと走る方が効率的と言える。

適正なケイデンスは走っている場面でも変わる

適正なケイデンスは走っている場面でも変わる

適正なケイデンスは、走っている場面で変わり、レースなどでの平地巡航時はケイデンス85〜95回転。距離が長くなり100kmを超える場合は、体力維持が必要になるため、80回転前後が適しているとされる。

一方で、ゆっくりと気楽に走る場合は90回転では早すぎで、60〜70回転前後が最適。そこまで速度を求めないのであれば、これぐらいの回転数のほうが体力を使わない走りを実現できる。

体力温存のために重いギアで回転数を抑えるという方法も

重いギアを用いて、ケイデンスを落として走っても、低速なら脚の重さを乗せかえる程度で対応できる。結果として脚を上げる回数を減らせる分、体力温存が可能。

例えば、ロングライドを行う際、市街地では信号待ちからの発進加速が頻繁に発生するとはいえ、レースほどの素早い反応が求められない。それよりも自分のペースを維持できる70〜80rpmまで下げ、体重を生かしたペダリングをした方が、エネルギー効率が良く、楽に走れる。

ケイデンスの基本特性を理解する

速度を一定に保ったままケイデンスを高くした場合と、その逆に低くした場合の両方ともにメリットとデメリットがあり、目的や状況に応じて使い分けられることが重要となる。

ケイデンスの基本特性

高回転 高回転時はギアが軽くなるので筋肉への負担は減るが、加えて運動強度が高い分だけ心拍数も上がり、糖質代謝が早まる。糖質に依存するため、90rpm以上を無理に保とうとすると、積極的に糖質が代謝されるのでハンガーノックになりやすく、補給のためにたびたび休憩しなければならなくなる。
低回転 同じ速度を保つ場合、ケイデンスが低いほど筋肉への負担は増えるが、ペダリングスキルを向上させることによって体重をうまくペダルに乗せることができるので、回転数を落として走ることによって、心肺への負担を軽減し、心拍数を極端に抑えることも可能。糖質代謝を抑えられるので、一定の力を長く出し続けることができる。その一方でロードレースのような速度の上げ下げが激しい状況では、どうしても反応しづらくなる。

状況による適切なケイデンス例

状況ごとにケイデンスの傾向が異なるが、かなり幅が広い。数値は人によって大きく異なるため、参考程度に。

状況 ケイデンス
ロードレース 70〜130rpm
ロードTT 90〜100rpm
トラック競技 160rpm
ヒルクライム 70〜80rpm
サイクリング・ロングライド 50〜80rpm

ケイデンスを意識して走る

ケイデンスの範囲を広げる

自分がしっかりとペダリングできるケイデンスの範囲は、広いに越したことはない。プロ選手は、ケイデンスが50回転でも120回転でも足の力を効率的にペダルに伝えることができる。

この範囲をできるだけ広く実行できるように、日頃から走行する際はケイデンスを意識すること。適切なギアの目安としては、後輪のギアを2枚ほど一気に上げたり下げたりして、上下の回転数に余裕のあるギアが適したギア。もちろん、楽に走るときは下限で構わない。

登坂時のケイデンス調整もしっかりと

登坂時のケイデンス調整もしっかりと

平地での変速はケイデンスを上げてもスピードが足りないときに行うのが基本だが、登坂時の変速のタイミングは勘違いしている人が多い。上り坂の前で後輪のギアを2枚ぐらい軽くして臨むのは間違った対応。

登坂に備えるのは問題ないが、この方法だと、変速した瞬間にケイデンスが乱れるぐらいの高回転になってしまいがち。足が空転しかねないよう、平地であっても加減速がスムーズになるよう、意識して変速する練習が大切

年齢が上がるにつれてケイデンスは下がるが……

年齢が上がると、加齢とともに神経系が衰える。そのため、最大ケイデンスは落ちる。ただ、60歳からでも適切なトレーニングを積むことによって筋量を維持、あるいは増やせるため、速さは維持できる。

室内トレーニングは実走でケイデンスを上げにくくなる

室内トレーニングのローラー台やエアロバイクは、ケイデンスを上げるのは容易。そのため、せっかくのトレーニングでも無駄に上半身を固定しての踏み込み重視のペダリングになりやすい。

実際の道路を走行する際には、ロードバイクを振るタイミングに合わせてペダリングするので、骨盤は安定させても肩甲骨まわりが柔軟でないとケイデンスはすぐに頭打ちになる。

室内トレーニングを行う際は、肩甲骨周りのトレーニングも意識することが大切。

ケイデンスとスキルを向上させるためのトレーニング

ケイデンスを維持しながら走るトレーニングも有効。初めはスピードに意識が向いてしまうが、一定に維持したケイデンスのほうが効率のいい走りができる。

平地では90rpmを維持

個人差はあるが、まず筋肉疲労と心肺疲労のバランスがいいとされる90回転を維持して走ってみる。このときはどのようなスピードでも良い。

たまに軽いギアで120rpm以上回す

回転数を上げる練習も効果があり、目指すは120回転以上。空回りしたり、加速にムラがあったりしないよう注意が必要。正しいペダリングができないと、この回転数は達成できない。

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