Rule
自転車は道路交通法で、荷車や馬車と同じ軽車両として扱われている。守るべきルールは明文化され、これに従わなければ罰金を支払わねばならなくなるだけでなく、逮捕されることもある。残念ながらこれらの罰則を受ける人が増えており、ロードバイクのマナーが悪い人が増えているのも事実である。
ロードバイクに乗っている人の多くが道路交通法を熟知しているわけではなく、どちらかといえば法令を意識せず、自己中心的に乗っている場合が多い。対歩行者でも対クルマでも、事故の場合は自転車側に違反がある場合のほうが多いのが現状であり、マナーの改善が望まれている。
道路交通法では、自転車に関するさまざまなルールが定められており、これまでにも危険な走行が認められた場合、罰金は科せられていた。
平成27年6月に道路交通法が改正、3年間で交通事故を含む違反行為で2回以上摘発された自転車利用者には、公安委員会が定める「安全講習」を受講する義務が発生するなど、自転車の取り締まりがより強化されることになった。もしも受講命令に従わなかった場合は、5万円以下の罰金の支払いも命じられる。
ただし、意識してほしいのは、道路交通法はあくまでも運転者自身と周囲の人々の安全を考盧されたものだということ。ルールやマナーはかならず守るようにしよう。
通勤通学の時やちょっとした買い物に出かける時に雨が降っていたら、傘をさしたくなるが、傘をさすと片手運転になること加え、雨によって視界も遮られ、充分な安全性が確保されない。
とくに、ロードバイクは普通の自転車と異なり、ハンドルの先のほうにブレーキがあるので、上体を起こした片手運転の場合、いざという時にブレーキをかけることができないので非常に危険。
また、傘をさす必要があるということは、路面が濡れているということ。この場合タイヤが滑りやすくなっていたり、ブレーキが効きにくくなったりと通常よりもさらに危険度が増す。
事故につながるので傘さし運転は絶対にやめよう。ロードバイクは雨天時の走行は考えられていないので、雨が降ったら乗らないほうがいい。家の帰る途中で雨が降ってきた場合にどうしても乗るひつようがあるならばレインコートを着用しよう。
自転車は道路交通法上、軽車両と位置付けられているので、原則、車道の左側を走ることが義務付けられている。
道路の左側を走っているときに、右側通行の自転車が向かってくるのは想像以上に恐ろしい。とくに夜間、ライトをつけていない自転車が右側通行するとその恐怖はさらに増す。どちらかが道を譲る形になるが、速度が速いので一瞬の間違いが事故を起こしてしまう。安全に走るためにも、道路の左側を通行するようにしよう。
もし車道の右側を通行した場合は「通行区分違反」にあたり、「3カ月以下の懲役又は5万円以下の罰金」が科せられることになる。
自転車での歩道走行は例外規定を除いて禁止だが、残念ながら歩道を走る自転車は少なくない。
歩道は運転者が児童または高齢者である場合や、車道に明らかな危険が伴う場合など、例外的に走行が許されている場所であり、基本的には歩道を通ることは認められていない。歩道は車道以上に子供の飛び出しや予想外の行動に直面しやすい。また、歩道は段差が多いのでそのたびに速度を落とす必要があり、快適に走りづらい。ロードバイク初心者は車道が怖いので歩道を走りたいと思う場合もあるかもしれないが、突発的な事故の危険性や万が一の場合加害者になってしまうなど、歩道のほうがもっと危険なことを知っておきたい。
※一部例外などあり
街中でよく見られるが、イヤホンで音楽を聴きながら自転車に乗ることは取り締まりの対象となる。車の音や踏切の音など、音による危険察知ができないのは非常に危険なことだ。他にも、ロードバイクに異変があるとき、多くの場合は異音が出るので早期に気づくことができるが、イヤホンをしているとそれも聞こえない。
異音が注油ができていないことによるものであればまだしも、タイヤに異物が刺さっている場合や衣服やバッグがタイヤに巻き込まれている場合など、早期に対応しておかないと大変なことになってしまう。周囲の音、ロードバイクの音など音で危険を察知できるようにしておこう。
電車の中での携帯電話での通話はマナー違反ということが一般的になっているが、自転車に乗りながらの通話はマナー違反なだけでなく、道路交通法違反でもある。電話がかかってくるとついつい出てしまいがちだが、傘さし運転同様、片手での運転になるのでいざという時にブレーキできないという危険性に加え、通話しているので周辺への注意力も落ちてしまうので運転中の通話は控えよう。
もちろん、ロードバイク乗車中にスマートフォンを操作しながら運転するなどもってのほか。スマートフォンをナビ代わりにするのであれば、、フレームに固定できるアイテムを使い操作は必ず停止してから行おう。
信号は必ず守ろう。とくに、ロードバイクは速度が速く、歩行者が青になったから横断歩道を渡ろうと歩道から突然出てきても気づかない場合は事故につながる。
同様に一時停止も必要だからその場所が一時停止になっているわけなので、自転車だから一時停止しないのは間違っている。
ちなみに、「とまれ」の標識の場所では、一旦停止して足をつける必要がある。車体が止まっているからOKというわけではない。
夜間に無灯火で走るのは道路交通法違反。とはいえ、罪に問われるからライトをつけるのではなく、単純に危険なので夜間は絶対にライトをつけよう。
車に乗ってみるとわかると思うが、自転車は思ったよりも視界に入りづらい。ライトをつけていないのであればなおさらだ。また、夜間歩いていてもライトをつけていない自転車であればよく見えないはずだ。
そのため、歩行者や他の自転車、車などに自分の存在をアピールするだけで夜間の事故を激減させることができる。
ライトは2か所、フロントライトとテールライトの両方をつけよう。「ライトの選び方とおすすめのライト6選」では安全に配慮したおすすめのライトを紹介しているので参考にしてほしい。
飲酒すると注意力が落ち、事故につながりやすい。もちろん、道路交通法的にも厳罰が下る。自転車だから飲酒してもいいわけではないので、自転車でも飲んだら乗らない。
安全に走るためには、交通ルールを守るのはもちろん、道路交通法に記載されていない安全策をとることをおすすめする。
ロードバイクは車体が軽く、ちょっとした接触でも体が飛ばされる。軽い接触であっても、頭から落車した場合大きな障害につながる事故になったり、重症になったりすることだってある。
ヘルメットはそのような場合でも頭を守ることができるので絶対に着用しておこう。プロのロードレーサーでもかぶるぐらいなので、ロードバイクに慣れてきたといって外してはいけない。
ヘルメットも日々進化しており、軽量ながらも壊れにくく、空気穴により蒸れることが少なくなっている。様々な形があり、頭の形に合わせてかぶれば違和感を感じることが少ないだろう。
レースに出場できるレベルの安全性が確保されているだけでなく、このメーカーは日本人の頭に合うヘルメットをリリースしているだけあって、このヘルメットも長時間かぶっていても違和感を感じにくい作りになっている。
上記以外にも様々なヘルメットがあるので、詳しくは「ヘルメットの選び方」を参考に。
普通の自転車であれば寒い時期に手が寒くないように手袋をするということが普通だが、ロードバイクでは夏でもグローブを着用することをおすすめする。
実はヘルメットと同じぐらい大切なのがグローブ。ロードバイクで転倒した場合は受け身をとるために手のひらをつくことになるが、体重が乗った状態で地面に手をつくと手をひどく損傷してしまう。グローブはそのような場合に備え、手のひらを守る役目を持つ。
他にも乗車中、路面からの振動を抑えたり、手の滑り防止など、様々な役目を持っている。
グローブをつけるだけで様々なメリットがあり、ロードバイクの操作性も向上、もちろん万が一の場合に自分の身を守るなど非常に重要なアイムなのでぜひ試してみよう。
暖かい時期は指ぬきグローブを使えば暑くないし、寒い時期は防寒性の高いグローブを使うなど状況に応じて使い分けると快適だ。特にロードバイク初心者にはパッドが多めに入ったグローブがいい。ハンドルに体重を預けても手が痛くなりにく、ハンドル・サドル・ペダルと体重が分散されるので、お尻が痛くなりづらくなるというメリットがある。
前述したが、雨の日はタイヤのグリップが効きにくくなりスリップしやすくなる。とくに、タイヤの細さも相まって濡れたマンホール上でブレーキをかけると滑って店頭につながりやすい。
また、雨により視界が悪く、晴れたときには起こり得ない事故につながることも。 雨が降っていたり路面コンディションが悪い場合はできれば乗らないという選択肢をとろう。
いくら道路交通法を守ったり、安全に注意をしていても思わぬところで事故にあうこともある。走行中路面で滑った結果、骨折することや、後遺症の残る怪我につながることもある。自分の怪我だけならまだしも、歩行者相手にけがをさせた場合、相手への補償などが必要になってくる。
このようにロードバイクに乗っている以上、常に事故に巻き込まれる可能性があるのだ。車であれば自賠責保険が必須だったり自動車保険に入ることが一般的なので、加害者になった場合でも保険を使うことで相手への補償が可能になる場合が多い。ただし、自転車保険はそう一般的ではないので、加入している人もそう多くなく、万が一の場合に対応できず、相手への補償ができないという状態になり得ない。
自転車保険の費用は自動車保険とセットにすると安い。アクサの自動車保険の特約などは年間1000円ほどで、他の自動車保険会社も同じように特約でカバーできるプランを備えている。万一の事故で、ロードバイクに乗ったことを後悔しないためにも、ぜひ自転車保険に入っておこう。 自転車保険について詳しくは「ロードバイクには自転車保険が必須な4つの理由」を参考に。
ここで紹介したルール以外にも道路交通法はあるが、日々やってしまいがちなことを中心に紹介した。ルールは破ると罰せられるから守るのではなく、自分や他の人など全体の安全のために守るもの。
普通の自転車に比べロードバイクは危険度が高いので、しっかりとルールを守り、安全な乗車を心がけよう。
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