タイヤの太さは25Cがおすすめ

25C of the thickness of the tire is recommended

ロードバイクのタイヤは細いので進みやすい。ということは、細ければ細いほど良いように思いがちだが、近年エントリーモデルはもちろん、大きなレースでも25Cサイズのような少し太めのタイヤを使うことが主流になっている。ここでは現在主流との25Cタイヤを選ぶメリットを紹介する。

初めてのアップグレードにおすすめの走りが激変する定番タイヤ3選

最近のロードバイクのタイヤは25Cが標準化している

以前はロードバイクのタイヤの太さといえば23Cだったが、今では25Cのタイヤがエントリーモデルに最初から装備されていることが多いだけでなく、ツール・ド・フランスのような世界最高峰のロードレースでも主流になっている。ここではタイヤの太さは23Cよりも25Cが主流になっている理由を探っていく。

25Cサイズのロードバイク一例

  • ビアンキ VIA NIRONE 7 TIAGRA
  • キャノンデール CAAD OPTIMO SORA
  • ジャイアント CONTEND SL 1 DISC
  • ピナレロ GAN

【ワンポイント】25Cの「C」は単位ではなくて規格のこと

タイヤの太さは25Cや23Cと表されるので「C」というものは単位と思われがちだが、この「C」はリム外形の規格のこと(他にもA.B.Dと全4種ある)。数字は単純に太さをミリメートルで表しているもの。つまり、23Cのタイヤは23mmの太さのことであり、25Cのタイヤは25mmの太さである。

タイヤにかかる抵抗・重量の面から25Cタイヤのメリットを探ってみる

早く遠くに走ることに特化とした自転車であるロードバイク。早く遠くに走るためには、タイヤに高い空気圧を入れることができることが必須であり、さらにタイヤに掛かる抵抗が少なければ少ないほどいい。まずは走行中のタイヤにかかる1.転がり抵抗と2.空気抵抗のそして3.重量の3つから特長を見てみよう。

1.転がり抵抗

タイヤは走行中常に伸び縮みを繰り返しており、その変形にエネルギーを消費し熟として放出している。伸び縮みでの変形量が大きいほど、より多くのエネルギーを使う。この使われるエネルギーが転がり抵抗の正体。つまり伸び縮みが少ないほど転がり抵抗が低く、タイヤが転がりやすい。

太めのタイヤと細めのタイヤを比較すると、同じ空気圧なら太めのタイヤは細めのタイヤと比較すると進行方向の接地面が太く短い。接地面が短いということは、縦方向のタイヤの変形量も少ないため、使われるエネルギーも少なくなる。よって転がり抵抗が少なくなる

  接地面 タイヤの変形 抵抗
太めのタイヤ 太く短い 少ない 小さい
細めのタイヤ 細く長い 長い 大きい

ロードバイクで使われるタイヤの適正空気圧の8気圧で、23Cと25Cの転がり抵抗の比較を行えば、3%程度転がり抵抗に差が出て、25Cのほうが優位になる。

2.空気抵抗

タイヤが太くなれば厳密に見れば前面の面積が増えて空気抵抗が増える。しかし、最近のタイヤは全体的にリムがワイドになってきているので、タイヤが太くても空気抵抗は増えにくい傾向にある。

3.重量

重量に関しては太いタイヤのほうが、リムの外周が増えるため重くなる。ただ、最近は素材の進化によりタイヤの軽量化が計られており、そこまでの重さの差はないのが現状。例えばシュワルベのSCHWALBE ONEを23Cと25Cで比較しても10~20gの差で、そこまで大きな違いが生まれるわけではない。

  23C 25C
シュワルベ SCHWALBE ONE 205g 225g
ミシュラン POWER TIME TRIAL 180g 190g

走り以外のメリット

クッション性が上がる

ロードバイクの軽快な走りをもたらしている一つの要因に、タイヤに高い空気圧を入れているということがある。高い空気圧を入れるとタイヤの中は空気でパンパンになり、タイヤが転がりやすくなる一方、地面の振動を体に伝えやすく良い乗り心地ではなくなる、というようにタイヤの空気圧によってクッション性が変わってくる。

  クッション性 乗り心地
高い空気圧の場合 低い 良くない
低い空気圧の場合 高い 良い

タイヤの太さが違っても空気圧が同じなら乗り心地はさほど違わないが、同じ空気圧ならば25Cのほうが23Cに比べ転がり抵抗が少ない

つまり同じ転がり抵抗であれば25Cのタイヤのほうが、その分空気圧を下げることが可能になるので、クッション性を上げて乗り心地を向上させることができる。

安定感が増す

カーブ

早く遠くに走るのも大切だが、安心して曲がれることも大切。コーナリングでロードバイクを傾けたとき、同じ角度でもタイヤのアール(曲率)がゆるい太いタイヤのほうが、アールがゆるくなることで、倒し込んだときの安定感が高まるし、操作もゆるやかでよくなる。

ロードバイクは普通の自転車に比べて速度を出していることが多く、曲がる際のスリップにも注力する必要があるため、安定性が高まるのは初心者はもちろん上級者にもうれしいポイントである。

タイヤは太ければ太いほどいいというわけではない

23Cと25Cを比較できるのは空気圧を同じにできるため

あくまで太いタイヤのほうが転がり抵抗が小さいという前提には、細いタイヤに対して、空気圧、荷重が同じという場合のみ。軽い走りを実現するのには、タイヤに高い空気圧を入れる必要がある。

例えば25Cのタイヤは23Cのタイヤと同じくロードバイクの一般的な推奨値の8気圧を入れることができるので、この2つを比較するのは大きな問題ではない。

太いタイヤは高い空気圧を入れることができないので走りが重い

一方で、35Cほどのタイヤの太さとなると、ロードバイクの一般的な推奨値の8気圧を入れようとしても、タイヤには最大空気圧があり、太いタイヤは高い空気圧を入れることできないので、結果として走りは重くなる。

太さ 気圧 走り
23C 8気圧 軽い
25C 7~8気圧 軽い
28C 7気圧 やや軽い
32C 6気圧 やや重い
35C 5.5気圧 重い

今23Cのタイヤを使っているが、25Cタイヤはホイールに装着できるか

「25Cのタイヤに交換したい」と思っても、使っているタイヤは23Cなので、今のホイールに違うサイズのタイヤを装着できないかもしれないと思う人は多い。

ホイールには指定タイヤ幅というものが設定されており、この指定タイヤ幅の範囲内であればタイヤを装着できる。例えば多くのロードバイクに装着されているシマノのホイールWH-RS010であれば、指定タイヤ幅が23C~32Cと広く現在23Cのタイヤを履いていたとしても新たに25Cのタイヤに変更することが可能。

なお、ホイールアップグレードの超定番であるカンパニョーロZONDA C17は、指定タイヤ幅が25mmから50mmとなっているので、装着するタイヤの太さには注意したい。

ホイール 対応タイヤ幅
シマノ WH-RS100 23~32
シマノ WH-R501 19~28
カンパニョーロ ZONDA C17 25~50

初めてタイヤ交換する人にもおすすめしたいハイクラスの25Cタイヤ

各メーカーが様々なタイヤをリリースしているが、ここで紹介しているのは走りの質を変えることができるハイクラスのタイヤ。

ロードバイクに最初から装着されているタイヤは、全体的な価格を抑えるために割と安いタイヤが使われていることが多いので、ハイクラスのタイヤに変えるだけでも走りは大きく変わる。

走行頻度や走行距離、走行場所によって交換頻度は異なるが、軽快な走りを安全に楽しむために、1年に1回は交換しておこう。

コンチネンタル GRAND PRIX 5000

定価(1本):11,000円

レーシングタイヤの定番で、転がりの軽さとしなやかな乗り心地で、練習からレースまで安心して使える。

ミシュラン POWER TIME TRIAL

定価(1本):8,450円

ミシュランの新ハイエンドクリンチャータイヤ。グリップ性能を損なうことなく、非常に低い転がり抵抗を実現している。

パナレーサー RACE A EVO 4

定価(1本):5,940円

強さと軽さを兼ね備え、あらゆるレースシーンに対応するオールラウンドモデル。他のタイヤに比べて手を出しやすい価格というのも嬉しいポイント。

シュワルベ SCHWALBE ONE

定価(1本):7200円

シュワルベのロードタイヤの最高峰。抜群の転がり性能と最高の耐久性を高い次元で両立。

まとめ

太さ 23C  25C
転がりの軽さ 
安定性
重量    +10~20g
ヒルクライム
コーナリング特性 クイック 穏やか

多くのメリットがあるので25Cタイヤがおすすめ

重量面では23Cが軽く、ヒルクライム、そして加速のよさでは有利。一方で25Cは転がりの軽さ、コーナリング中のグリップ力も高さ、乗り心地の良さなどトータル性能のよさで優れており、特定の状況以外は25Cのタイヤのほうがメリットが大きいのでおすすめ

多くのロードバイク向きのタイヤは23Cだけでなく、25Cサイズもリリースしているので、現在23Cのタイヤを使っている人は、次回タイヤを交換する際には25Cのタイヤを選んでみてはいかがだろう。

追記:当サイトでは、上記で紹介したコンチネンタルのグランプリ5000をおすすめしている。詳しくは以下リンクで紹介しているので参考に。

参考リンク 2022年度おすすめハイスペックタイヤ2選

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