Disk brake mounting model is ant or pear
 
      
      ロードバイクのブレーキには大きく分けて2つのタイプが存在する。大多数のロードバイクに実装されているキャリパーブレーキと、大多数のMTBに実装されているディスクブレーキの2つだ。
2つの違いは制動方法にある。キャリパーブレーキはタイヤをブレーキシューで挟んで制動する。一方のディスクブレーキは、フレームにセットしたブレーキ本体内のパッドが車輪の中央についている円盤状のローターを挟み込んで制動する。
ディスクブレーキとキャリパーブレーキの見分け方は非常に簡単で車輪の中央部を見るとわかる。ここに円盤状のローターがついているものがディスクブレーキ搭載モデルだ。
| ブレーキの種類 | 主に搭載される自転車 | 特徴 | 
|---|---|---|
| キャリパーブレーキ | ロードバイクに多い | 速度重視 制動性は低い | 
| ディスクブレーキ | MTBに多い | 制動性が高い | 
ロードバイクはレースに特化した自転車。レースではスピードを緩めてコーナーを曲がることはあるが、基本的に停止はしないのでブレーキには強い制動力は求められていない。
そのような背景からレースを主目的とするロードバイクのブレーキは、キャリパーブレーキが実装されている。一方、ロードバイクをレースだけでなくロングライドや自転車通勤などレース以外の用途に使う人も増え、それに伴いディスクブレーキを実装したモデルが増えてきている。
ちなみに、シマノからリリースしているディスクブレーキコンポのグレードは105以上。ディスクブレーキ搭載モデルで105未満のコンポーネントを搭載している場合は、ディスクブレーキ部分だけシマノ製でないブレーキを使っている場合や、ディスクブレーキの部分だけグレードアップさせていることも。
普通のホイールにローターを取り付けてディスクブレーキ化することはできない。同様に、フレームもディスクブレーキにはディスクブレーキ専用のフレームが必要となる。パーツのアップグレードと称してキャリパーブレーキを取り外してディスクブレーキに変更することはできないので注意したい。

ディスクブレーキの大きな特徴の一つとして、晴れの日でも雨の日でも変わらないブレーキの効きの良さが挙げられる。摩擦材で車輪の回転部分を挟むという原理はディスクブレーキとキャリパーブレーキの両方とも同じだが、その先の仕組みが異なる。
雨が降っていると普通のブレーキであるキャリパーブレーキでは止まりにくいのに対し、ディスクブレーキは雨の中でも泥道でも安定して制動できる。
キャリパーブレーキの場合、急停止の際にはレバーを強く握る必要があるため、手をブラケットから下ハンドルに持ちかえることになる。ただし、常に下ハンドルを持っておくのも現実的ではないので、ブラケットを握ったままブレーキを強く握りたい場合は、力強くブレーキを握るしかない。
一方でディスクブレーキは、レバーの動きに対してブレーキが効くため強く握りこむ必要がない。というのも、ディスクブレーキはブレーキパッドの圧力が高く動きは非常に小さいが、軸近くに設置され精密に両面を研磨されたディスクの精度のよさで、ブレーキの効きを高めているからだ。
このため、指1本でもレバーにかけておけば下ハンドルのフルブレーキに相当する停止力を発揮することができる。これは突然歩行者が飛び出してきて、急に停止する必要がある市街地の走行に非常に便利なので、自転車通勤などで日々人通りが多い道を通る人にとってはありがたい。
ディスクブレーキは速い速度を出した状態から急停止すると、ローターやリムが摩擦により加熱されて非常に高温になる。例えば速い速度から急停止することで、ローターの温度が300度近くまで上昇することもある。通常走行しているうえでは絶対に触れない部分とはいえ、この状態で触れてしまうと火傷してしまうので非常に危険。
また、高温になっていても見た目では判別できないのも怖いポイント。不用意に触ると火傷するので自分にも他人にも気を配らなくてはならない。
さらに、熱はすぐに下がらないので急停止を繰り返し行うことでより温度が上昇していく。高温になればなるほど触ったら火傷以上の大怪我になるので十分注意したい。実際は空気で冷やされるのでディスクブレーキの温度が300度を超えるということはそう多くないが、触ったら危険ということは覚えておこう。
ブレーキはパッドの温度が300~400度くらいになるとフェード現象というものが発生してブレーキの効きが半分くらいに落ちてしまうので注意したい。長い下り坂などで常にブレーキをしながら走ると、加熱が続く一方で冷却されないのでこのフェード現象が起きやすい。
さらにこの熱がブレーキ液に伝わると、ブレーキ液が沸騰してしまいブレーキの効きが悪くなる。高級なディスクブレーキはディスクに放熱板をつけたり、ピストンにセラミック素材を使ったりして断熱しているのはこのため。
このように、下り坂でブレーキを長く続けているとブレーキの効きが悪くなっていくので、そうならないように下り坂ではブレーキ調整を意識する必要がある。
熱くなりやすいので熱に強い素材が使われている
ディスクブレーキの材料は熱に強い鉄が使われる。ステンレスは錆びにくいので手入れが楽だが、熱伝導率が鉄の1/2~1/3と低くブレーキングによって加熱されてしまうと冷えにくいという欠点がある。ステンレスの8~12倍熱を伝えやすいアルミとの複合材のディスクも実現されている。
ディスクブレーキとキャリパーブレーキの重量を比較すると、レバー、ブレーキキャリパー、ローターなど一式含めるとおおよそ100gほどディスクブレーキのほうが重い。他にも、フレーム、ホイールの設計もディスクブレーキはキャリパーブレーキとは異なるため、この部分を含めると約200g重い。
ただ人によって感じ方が変わると思うが、この重さはペットボトル1本に満たない重さ。100gの重さで勝敗の変わるシビアなレースでなければ、ディスクブレーキの重さが大きなデメリットとなる場面は少ない。
ディスクブレーキはホイール・フレームともにディスクブレーキ専用のものしか使えないので、キャリパーブレーキ搭載モデルと互換性がない。そのため、ディスクブレーキを搭載しようと思っても手持ちのロードバイクがディスクブレーキ搭載モデルでない限りはブレーキの変更ができない。

徐々にディスクブレーキ搭載を認めるレースが増えてきているが、有事の際の危険性がキャリパーブレーキに比べて高い以上、ディスクブレーキ搭載モデルでの参加を禁止しているレースがある。この場合、どんなに愛着があってパーツのグレードが非常に高くてもレースには出ることができない。
また、上記で紹介したように互換性がないため、参加するためには全く別のロードバイクを準備することになる。様々なレースに出たいと考えている人は参加できるレースを狭めないためにもキャリパーブレーキ搭載モデルのほうが良いだろう。
ワイヤーでディスクを操作して制動するタイプを機械式ディスクブレーキと呼ぶ。ワイヤーを介してブレーキ本体内にセットされたパッドをレバーで押し出し、ディスクを挟み込む仕組み。シマノからリリースしているディスクブレーキの105コンポーネントは機械式(それより上のグレードは油圧式ディスクブレーキ)。
機械式ディスクブレーキの制動力は油圧式と同等だが、コントロール性が劣る。他のワイヤーブレーキと同様、ワイヤーを使用する比較的シンプルな構造であるため、パッドが減ってくれば引きが深くなっていくので感覚的に交換時期がわかるため、油圧式のものと比べればメンテナンスは容易。
油圧式ディスクブレーキは多くのMTBで採用されているディスクブレーキ。一部のロードバイクやクロスバイクにも採用されている。シマノはアルテグラ・デュラエースのコンポーネントのディスクブレーキが油圧式。特徴としてはワイヤーを使用せずに油圧の力で制動するので、ブレーキを軽い力で引くだけでよく、手の疲れを軽減できるという大きなメリットがある。そのためブレーキングの回数が多い市街地を走る場合や長距離を走る場合などに適している。
デメリットとしてはブレーキをかけたときの感覚ではブレーキパッドの摩耗状態が確認できないので、目視確認でしか摩耗状態が確認できない。摩耗しすぎても感覚ではわからないので、ブレーキが効かなくなって初めて摩耗しすぎていたことがわかることも。また、構造が複雑なので初心者にとってメンテナンスは難易度が高く、自転車店に依頼することが必要。もちろん、工賃がかかるため費用もそれなりにかかるのが難点。

ディスクブレーキといえども、ロードバイクのエントリーモデルに実装されているものもあるぐらいなので、いくつかの注意点を抑えてメンテナンスを行っていれば、大きなトラブルはまず起きない。
基本的なメンテナンスとクリーニングは自分で行ったほうがいいが、初めてのパッド交換の場合は自転車店で交換をお願いして、その際に交換方法を教えてもらおう。もう一歩踏み込んだエア抜きやキャリパー交換の場合は、特殊な工具が必要になるので慣れているとしても自転車店に依頼することをおすすめする。
ディスクローターは制動の要であり精密なものなので丁寧に扱うこと。ほんの少し油分が着いたり、曲がったりしただけで性能が生かせなくなる。メンテナンスの際にホイールを外した際や、輪行するために分解する際に、汚れた手で触ったり、地面に直接触れたりするような状態にしないこと。
プロントホイールの脱着は、ブレーキシューの調整がいらないのでそのまま装着するだけでよく、キャリパーブレーキよりも簡単。リアホイールも、チェーンをカセットにかけてから、キャリパーにローターを真っ直ぐ入れるだけ。
装着したらクイックリリースを確実に締めて、パッドとローターが接触していないか確認。もし擦っている部分があったら、ホイールが真っ直ぐ装着されていないか、ローターが曲がっている可能性があるのでよく確認すること。
雨天時や雨上がりなどの路面の状態が悪い時に走った後は、ブレーキパッドやローターに路面から跳ねあがった砂や異物が付着していることが多い。雨の後のメンテナンスは面倒だが、できるだけ早いタイミングで綺麗にしておきたい。
基本的には乾いたウエスで全体を拭くだけでいいが、砂や異物が付着している場合や汚れがひどい場合はホースの水を使って異物を取り除く。決して手で直接触ってはいけない。その後乾いたウエスで水分を拭き取っておくことが大切。
シマノ製のディスクブレーキ交換の目安は、パッドが0.5mm以下、ローターは厚みが1.52mmになったら交換の目安。非常に小さい単位なので目視しにくい場合は、機械式ディスクブレーキであれば強く引かなければいけなくなってきたら交換を検討すること。
油圧式の場合は目視確認しかないので定期的に確認すること。他にも、ローターにレコード状の溝ができると音鳴りや性能低下を招くので早めに交換したい。
なお、スプロケットを外すには専用のロックリング締付け工具、ホイール外し、モンキーレンチなどが必要。
ローターに油分は大敵。万が一ローターにチェーンオイルが付着してしまうとディスクブレーキが正しく制動できなくなる。注油する際はオイルが飛散してしまうことがあるので、ローターをウエスで覆いブレーキから離れたところで注油すること。
同様に、ローターが汚れているからといって使用後のウエスで拭くことはやめておこう。ウエスには思った以上に油分がついていることもある。
ローターは放熱効果の高い素材を使っているとはいえ、走行後のローターは非常に高温になっている。そのため、触ると火傷してしまうので絶対に触れない。
ローターは使い込んでいくとエッジ部分が尖って刃物に近い状態になる。そのため手を切らないように注意。普段触ることはないが、輪行時には触れてしまいがちなので注意したい。
ディスクブレーキ装備のロードバイクは長距離を走るのに適している。そしてそのメリットを生かせるのは輪行。ディスクローターがフレームに接触しないよう注意して収納すれば輪行袋が破れることはない。
また、ディスクブレーキがオイルに触れると十分な性能を発揮できなくなるので、ビンディングペダルなど油分のついたものにディスクブレーキが触れないように気をつけること。できれば輪行時に誤って触れてしまうことを避けるために、「ディスクブレーキローターカバー」というローターを保護するためのアイテムを購入しておこう。
ディスクブレーキのデメリットもあるが、制動性の高さとその軽さはロングライドや自転車通勤を行う人にとって大きなメリット。レースに出ることを目的とするのでないのであれば、検討材料の一つとしてもいいだろう。
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