Chain cleaning method

チェーンは路面に近く、オイルが付いているため、ホコリや泥などが付着しやすく汚れやすいパーツでもある。チェーンが汚れたまま使用し続けると、スムーズにロードバイクを操作できないだけでなく、チェーンに付着した汚れや細かい砂などがチェーンとギア版をヤスリのようにガリガリと徐々に削っていったり、チェーンがうまく動かず強い負荷をかけてしまい寿命が極端に短くなったりする。
仮に泥水などがチェーンに付着して可動部分に砂が入り込むと、リンクのつなぎ目に屈曲抵抗が発生する。この状態はチェーンの駆動抵抗を増やすとともに、正常な変速を妨げる。つまり「走行速度の低下」と「変速性能の低下」が起こる。
ギア版が削れてギア板の歯の間隔が手裏剣のように広がってしまっていたら、いくらチェーンを新品にしてもすぐにチェーンが伸びてしまう。この場合はギア板とチェーンの両方を交換するという面倒なことになる。特にギア板はチェーンに比べて非常に高価。
こうなったことにならないように、チェーンの洗浄と注油はこまめに行うことが大切だし、定期的な掃除はチェーンとギア板の両方の寿命を延ばすことにつながる。
必要なもの
チェーンの間の隙間にある汚れは手作業だけでは落とせない。この箇所はチェーンクリーナーブラシを使うことで汚れを完全に落とせる。チェーンが綺麗になれば、異音も聞こえず、なめらかなペダルの回転を取り戻すことができる
パークツール チェーンギャング 6,039円
一般的なチェーン洗浄機。青色のパーツの中にチェーンを入れて洗浄する。洗浄液も付いているので、これ一本でチェーンの洗浄が可能、また、雨天時に走行した場合ロードバイクに泥がつくこともあるが、ギアまわりにつくと手が届かなくてなかなか取れない。このセットについているブラシを使えばギアの間も掃除できる。
汚れや水分を拭き取るときには、着古したTシャツでもいいが、専用のウエスは丈夫で吸水性も高く、さらに糸クズなどがでないので、洗浄後のチェーンを拭くのに非常に向いている。
ワイプオール X70 不織布ワイパー レギュラー 1,100円
洗浄時はもちろん、注油時や拭きとり掃除時など、様々な場面で役に立つウエス。雑巾としても使えるので、家に常備しておいてもよい。価格もそこまで高くなく、SCOTTショップタオルよりもコストパフォーマンスは高い。
クリーナーはフタと本体の2つに分かれる。この間にチェーンを入れて洗浄する
チェーンを通したらフタを閉めてリアディレイラーに引っ掛ける
クリーナー上部にある穴から洗浄液(ディグリーザー)を注入する。洗浄機には洗浄液を入れるラインが記載されているので容量を守ろう。入れすぎると、使用中に洗浄液があふれだしてしまう。
チェーンをブラシの間にはさみ、蓋を閉めたらチェーンがクリーナー内を通るようにペダルを回転させて洗浄を開始する。クランクをゆっくり回して洗浄液が飛び散らないように気をつけよう。
洗浄が終わったらクリーナーを取り外しウエスでチェーンについた洗浄液をふき取る。そのままの状態で注油すると、チェーンに残っている洗浄液によって新しいオイルが落ちてしまう。
チェーンを綺麗にしたあとは、チェーンを守る保護膜がなくなっている状態なので、できるだけ早く注油することが大切。とはいえ適当に注油するのではなく、必要な分量のみを注油することを意識しよう。詳しくはチェーンへの注油を参照

路面からの泥や水の跳ね上がりによって、スプロケットはチェーンと同様汚れている。毎回のメンテナンス時にチェーンを綺麗にしている人は多くても、毎回のメンテナンス時にスプロケット内部まで綺麗にしている人はそう多くないだろう。
ただ、スプロケットが汚れているとチェーンを綺麗にしたとしても、すぐに汚れが移ってしまうし、汚れをそのままにしておくと走行性能の低下や錆の原因ともなってしまうので、定期的に綺麗にしておきたい箇所でもある。
スプロケットを最も綺麗にする方法は、「スプロケットを外してからクリーナーを使って掃除する」という方法。ただし、スプロケットを外すには専用工具が必要となるし、着脱もそう簡単ではないので日々のメンテナンスの際に行うのはあまりに手間。そこでウエスを使ってスプロケットを装着したまま綺麗にする方法を紹介する。
準備:ワイプオール・チェーンディグリーザー
上記でも紹介しているウエスの「ワイプオール」は洗浄液が染み込みやすく、破れにくく、使わなくなったタオルのように糸くずも出ないためロードバイク掃除にうってつけの素材。
さらに、繊維の方向に力を入れれば裂くことができる(もちろんハサミでも簡単に切断できる)。この方法であれば追加でアイテムを購入する必要がないので、日々のメンテナンス時に一手間プラスしてスプロケットの間を綺麗にすることをおすすめする。
ワイプオールはちょっとやそっとの力で破れることがないので、両端を持ってゴシゴシとスプロケットの内部まで力を入れられる。そのため、隙間内にある固まった汚れをかき出すことが可能。他にも雑誌や新聞を縛る紙紐を使うという手もあり、紙紐にディグリーザーを含ませてスプロケットを掃除する。
注意点としては105以上のコンポーネントだと11段ということもありスプロケットの間隔が狭い。その場合は短冊の幅を2cmよりも若干細くして調整しよう。
ここで紹介する方法よりも、もっと簡単にチェーン洗浄を行うことができるアイテムもあるので、詳しくは別ページにて紹介しているので参考に。
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