Punk method of repair

ロードバイクのタイヤの多くはクリンチャータイヤを採用しており、タイヤで柔らかいゴム製のチューブを包み込む構造になっている。この構造は安価かつ走りやすい一方で構造上チューブは異物や捻れ、摩耗などの影響でパンクが起きやすくなっている。
しかし実際には、釘などを踏みつけて起こる突き刺しパンクに遭遇することはそれほど多くなく、空気圧不足によるリム打ちがパンクの原因の最も大きいものだ。
クリンチャータイヤは、タイヤがバーストしない限りはチューブの交換だけで走行を再開できる便利なタイヤで、タイヤの付け外しは簡単な工具で実施可能。そのため、走行中にパンクした場合はチューブ交換で対応する。

チューブ交換に必要なアイテムを揃えていえば、チューブの交換も慣れてしまえば短時間でできるようになる。とくに、ロードバイクで走るならパンクの修理とチューブの交換方法を覚えておけば怖いものはない。できれば現場でパンクに遭遇するまえに事前に練習しておけば、現場で落ち着いて作業できる。

パンクしたタイヤチューブにパッチを貼って修理してしまう方法もあるが、新しいチューブに取り換える方法が時間も節約できるだけでなく確実に修理できるので、タイヤチューブ交換が基本と考える。ロングライド時はできれば2本用意しておくと安心だ。
チューブといっても実に様々な種類があり、できれば軽量で高品質なチューブを揃えておくといい。詳しくは「たった1500円で乗り心地が向上するチューブの紹介」を参考にしたい。
参考リンク たった1500円で乗り心地が向上するチューブの紹介
ホイールによってリムの高さが異なる。リム高に対してバルブが短いと空気を入れられないので、チューブのバルブ長は自分のロードバイクに適したもの用意すること。

タイヤの着脱に使用する。基本は3本セットで販売されている。3本あれば十分に対応できる。タイヤレバーを使わない人もいるが、慣れないうちは必須。

普通の空気入れのように空気圧計が付いているタイプがオススメ。体重で押し込むタイプであれば更に良い。携帯ポンプで高圧まで空気を入れるのは思った以上の重労働。少しでも楽に空気を入れたいなら使い捨てだがCO2ボンベがおすすめ。
リムテープも消耗品の一つ。外出先でのパンク修理時には不必要だが、家でチューブの交換する際はリムフラップを点検して必要であれば交換すること。ゴム製のフラップは穴が空きやすく劣化しやすい。これに小さな穴が空くと、空気庄を高めたときにスポークがチューブに刺さってパンクする。
始めてチューブを取り外す場合は、タイヤの硬さに戸惑うだろう。しかし、タイヤレバーを使えば必ず外せるようになっているので、コツを覚えれば非力な人でも外せる。ポイントはスムーズに外れないからといって力まかせにチューブを取り外さないこと。
パンク修理のためにはホイールを外す必要がある。ホイールが外れたら、作業をしやすくするためにバルブ位置を下側に固定し、バルブキャップを取り外す。
ホイールのリムにバルブを固定しているリムナットを指で緩めて取り外す。

フレンチバルブの先端にある弁を緩めると空気が抜ける状態になる。軽く指先で先端を押すと空気が抜けるので、先端を押し続けてチューブ内に残った空気を完全に抜き切る。パンクしていても空気が残っている場合があるので、しっかりと抜くこと。
タイヤレバーを準備して1本目のタイヤレバーをバルブ穴の反対側からタイヤのビード(タイヤがリムに引っかかっている部分)の内側に差し込む。

先端を差し込んだ状態のタイヤレバーを、テコの原理を使ってスポーク側に折り込み、そのままスポークに引っ掛けて固定する。このときタイヤ内部のチューブにタイヤレバーが挟み込んだ状態だと傷つけてしまうので注意する。
2本目のタイヤレバーを準備し、1本目のタイヤレバーから15cmほど離れたところに差し込みスポークに引っ掛けて固定する。
3本目のタイヤレバーをリムの隙間が広くなっている部分に差し込み、指が入るぐらいの隙間を作り、指を差し込んでリムに沿って片側のビードをすべて外す。タイヤレバーを周回させてビードを外していく方法もあるが、リムやチューブを傷つけてしまう可能性があるので、手で行ったほうが安全。

バルブを残したまま、タイヤとホイールの間に入っているチューブをバルブと逆方向位置からつまみ出して徐々に全体を引き出す。チューブがタイヤやホイールに張り付いてしまっている場合は無理やり引っ張らず、慎重に引き剥がすこと。最後にリムのバルブ穴からバルブを引き出してチューブを完全に抜き取る。
チューブを外したらタイヤも外し、タイヤやホイール部分に異物が入り込んでいないかを確認する。走行距離の短いチューブがパンクした場合、なんらかの異物が入り込んでいることが高く、原因を見つけないと再びパンクする可能性が高い。パンクの原因となった異物がタイヤに刺さったままだと、新しく入れたチューブもすぐにパンクしてしまう。
異物は目で見てわからないこともあるので、必ず指で触って確認する。もし刺さっている場合は慎重に取り除くこと。
パンクの場合はタイヤやホイールに異物がないか確認する。タイヤからパンクの原因を取り除いていないとチューブを取り換えてもまたすぐにパンクしてしまう。特に外出先でのチューブ交換はチューブ数に限りがあるため、こういうミスが致命的なのでしっかりと確認する。

タイヤには装着する方向がある。タイヤ側面に表示してあるので事前に確認しておく。装着する方向に向けたら、タイヤの片側のビードをホイールにはめる。タイヤのロゴと、バルブの位置を合わせるとスマート。
チューブに若干空気を入れる。空気が抜けた状態でチューブをしまおうとすると、タイヤとリムとチューブの噛み込みや、ねじれが起こりチューブを損傷させる場合があるからだ。入れすぎるとタイヤに入れることができないので入れすぎないこと。
軽く空気を入れた状態のチューブをホイールとタイヤの間に入れていく。まず、チューブのバルブをリムに通してバルブが真っ直ぐ入っているかも確認。その後チューブ全体を入れる。このときタイヤにチューブがきちんと収まっていないと、その後の作業時にチューブの噛み込みが起こりやすいので注意。

新しいチューブを取り付けるときに起こりやすいのがチューブの噛みこみ。チューブがしっかりとタイヤの内側に収まらず、タイヤとリムの間にはさまるとこうなる。そうならないためにも、チューブをタイヤの内側に入れ込むときはもちろん、必ず最後にチェックしよう。
チューブが噛みこんでいないか確認ができたらタイヤを手でビードに収めていく。最後のタイヤビードをはめるところは親指や手のひらを総動員してビードを押しリムを越えさせる。ちょっと大変だが、がんばって手ではめる。
どうしてもダメというケースはある。その場合は、タイヤレバーを使ってリムにビードを収めていく。ただ、かなりの確率でチューブがレバーとリムの間に挟まり穴があく。タイヤレバーを使う場合は、そのリスクがあるのを承知で行う最終手段だ。
タイヤのビードをはめたら、バルブ付近の噛み込みがないか、ビードにチューブが噛んでいないか確認。しっかり確認しないと、ビードの外側にチューブがはみ出ていた場合、ボンプで空気を入れたところでバーストしてしまう。
バルブをリムに固定するリムナットをねじ込んで取り付け、少しずつ空気を入れていく。空気を入れるたびにバルブをリムナットで固定し直すのを忘れずに。
タイヤに少しだけ空気を入れたら、全周にわたりもむようにしてリムになじませる。これを怠るとリムラインが正確に出ない。地味だが大切な作業だ。
タイヤの側面に表記された空気圧を参考に、空気を入れ適正な空気圧にする。ただ、外出先で携帯用ポンプやボンベを使う場合は勘に頼ることになるがいたしかたなし。
空気を入れたら、タイヤのビードが上がっているか、リムラインが偏よることなく正確に現れているかをチェックする。ビードがちゃんと入ってないとタイヤサイドのラインがずれているし、リムラインが歪んでいたら空気を抜いてタイヤをもみ、再度空気を入れる。
ホイールをフレームに装着して作業完了。ホイールを取りつける場合はクイックレリーズのレバーの強度に気を付けること。適度な力で閉まっていないと走行中にゆるんでしまい、ホイールが外れることだって起き得る。
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